(配当学年)1-4回生 (開講年度・開講期) 前期
(授業の概要・目的)
日常の習慣的運動がもたらす健康増進効果がどのようなメカニズムに由来しているのか、最近の内外の研究成果の紹介を含めて分子医学的観点から学習する。近年、日常の身体活動やスポーツを分子の視点から解析する試みが急速に進歩を遂げている。本ゼミへの参加によって「運動」という人間の基本的な活動をミクロの目で観察する教養的知識を得ることが可能である。
(到達目標)
生活習慣病、とくに世界的に患者数が急増した2型糖尿病を主なテーマとし、運動はどのような分子機構を通じて予防・改善効果を発揮するのか、分子機構の観点から効果的な運動方法とはどのような方法かについて、生体を構成するミクロ(分子)の視点から理解する。
(授業計画と内容)
以下のトピックスを、履修者の理解度を確認しながら、各1~2回の授業で取り上げる。ただし、授業の進み具合や最近の話題などに対応して新規にトピックスを追加したり、順序を入れ替えることがある。 詳細は第1回目の授業で説明する。フィードバックを含めた全15回の授業を実施する。
・糖尿病ではなぜ血糖値が高くなるのか
・1型糖尿病と2型糖尿病
・運動はなぜ血糖値を下げるのか(運動とインスリンとの違い)
・運動による骨格筋糖代謝の変化:糖輸送担体GLUT4とそのトランスロケーション
・運動時に活性化されるシグナル伝達分子AMPキナーゼ
・インスリン抵抗性が運動によって改善するメカニズム
・運動の急性効果(1回の運動の効果)と慢性効果(積み重ね効果)
など
また、上記のトピックスと併行して、運動(とくに筋力トレーニング)による筋力強化・筋肥大の分子機構、ドーピング規制対象物質が競技成績の向上をもたらす分子機構などについても取り上げる。
<詳細はKULASISのシラバスを参照ください>