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応用運動医科学ゼミ (Seminar on Applied Exercise Medicine)

(配当学年)1-4回生 (開講年度・開講期) 後期

(授業の概要・目的)
日常的な運動習慣はさまざまな「健康増進効果」を有することが知られている。運動には、呼吸循環機能や筋力・筋持久力、柔軟性など体力的指標の向上のみならず、肥満症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化症、骨粗鬆症といった「生活習慣病」の予防・症状改善効果が期待できる。本授業では、「健康増進」を目的とした運動の標準的な方法を中心に、運動にはどのようなリスクがあり、それに対してどのように対処すべきかを含めた学習を行う。本授業でとりあげるテーマは、運動不足になりがちな現代社会において、健康を損なわず快活に運動するための教養知識としても重要である。
(到達目標)
運動の持つ健康科学的有用性とともに、運動によって生じる可能性のある健康障害について理解する。
実際に起こった以下のような例について、不測の事態がなぜ生じたか、どうすれば防げるかについて理解する。

「三重県伊勢市で「7人のメタボ侍 内臓脂肪を斬(き)る!」と題して市幹部らが減量に挑戦する企画に、市長らとともに参加していた同市健康福祉部の男性課長(47)が、運動中に倒れ死亡していたことが17日、分かった。伊勢署などによると、課長は休暇中の14日午前9時10分ごろ、Tシャツと短パン姿で自宅近くの路上に倒れているのを通行人に発見されたが、既に死亡していた。死因は虚血性心不全で、ジョギングかウオーキング中だったとみられる。この企画は生活習慣病予防をPRするため市長が発案。メタボリック症候群の疑いのある幹部7人が、保健師から食生活や運動のアドバイスを受け、減量に挑んでいた。課長は腹囲が100センチあり、「10センチ減」を目標としていたが、保健師に急激な減量をいさめられていたという。(産経新聞より引用)」
(授業計画と内容)
一般人やスポーツ選手が、運動中や運動後に急死した例、心肺停止になりながら助かった例など多様なケースを毎回の授業で取り上げ、そうなるに至った背景や生じた病態、行うべき対策を学習するとともに、関連する以下のテーマに関して各1~2回の授業で学習する。フィードバックを含めた全15回の授業を実施する。

・運動によって(体力や競技能力以外に)からだの何がどのように変わるのか
・健康増進を目的とした運動とはどのような運動か(有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチングの効用)
・自分にとって適度な運動の強さや時間はどのように見つけるか(運動処方の原則)
・中・高齢者や有疾患者ではどのような運動を行うべきか(健常若年者との違い)
・運動によって病気やケガを誘発しないために(動脈硬化症と突然死、メディカルチェックの意義、夏期の運動と熱中症、運動と風邪、緊急対処としての心臓マッサージとAEDなど)

<詳細はKULASISのシラバスを参照ください>